馬場 一輝 Baba Kazuki
テクニカル部
日系建設機械メーカー、外資系風力発電メーカー、外資系再エネ事業会社を経て2024年1月入社。風力発電事業のライフサイクル全体を網羅した専門性を持ち、現在は国内外の風力発電プロジェクトの事業開発・建設履行・操業管理に従事。
「2050年の『カーボンニュートラル』に向けて、職業人生を通じて貢献したい」——明確な目標を掲げ、風力発電一筋でキャリアを積んできた馬場。メーカーでの技術畑から事業会社での開発まで、風力発電事業の全フェーズを経験した馬場が、なぜ次のステージに三井物産電力事業を選んだのか。入社約1年半で感じる三井物産グループの強みと、日本の洋上風力発電が秘める可能性について語ってもらいました。
2050年に向けて再エネビジネスの最前線で挑戦したい
私には、一つの大きな目標があります。それは、「2050年に向けたカーボンニュートラルの実現に、自分の職業人生を通じて貢献したい」ということ。これは、2020年に菅政権がカーボンニュートラルを掲げた時に定めた志です。当時、外資系風車メーカーで勤めていた私は、産業界も含めて再エネにシフトする不可逆的なメガトレンドを目の当たりにしました。以来、自分の職業人生は環境課題の解決への貢献に振り切ろうと決めたのです。
三井物産電力事業は、三井物産が取り組む事業開発やインフラ開発をサポートする組織です。事業ポートフォリオが大きく、海外を含め多くの地域に参画し、大規模なプロジェクトに取り組んでいる。この環境であれば大きな挑戦ができると確信し、転職を決意しました。
風力発電事業のライフサイクルは非常に長く、開発から運転開始まで約10年、その後20~30年の事業期間があります。この期間全体をカバーする経験や能力を持つ人材は少ないのが実情です。私は風車メーカーで建設部分を経験し、再エネディベロッパーで事業開発を経験、現在は株主の立場で事業を見ているというユニークなキャリアパスをたどっているため、バリューを出しやすいと感じています。
現在は複数のプロジェクトを同時にサポートしています。特に日本の洋上風力発電では、事業会社に一部出向し、事業開発をリードしています。行政からの許認可取得、漁協などのステークホルダーとの調整、工事業者や風車メーカーとの契約調整や交渉など多岐にわたる業務があります。また、三井物産本社に必要な情報をレポーティングし、意思決定に必要な情報を提供するのも大切な仕事です。他にも建設中のプロジェクトや運転中のプロジェクトなど、様々なフェーズのプロジェクトに関わっています。
入社前は少し心配していた三井物産本社との連携も想像以上に密接でした。グループ会社という立場でありながら、本社とはワンチームで仕事をしています。プロジェクトごとにさまざまな部署の人と関わっており、シームレスに入り込んでいる感じですね。

日本のエネルギー自給を支える洋上風力の可能性
そもそも私がこれだけ風力発電に魅せられた理由は、基礎にある機械系エンジニアとしてのバックグラウンドを生かせることと、ビジネス的にスケールしやすいことがあります。特に洋上風力は日本の広大な海域を活用でき、エネルギー自給の観点からも重要だと考えています。
日本は国土が小さく、太陽光や陸上風力の設備を建設できる場所は限られています。しかし洋上風力だと話は違ってくるのです。日本は海洋面積世界6位の海洋大国。海を活用して自然エネルギーで発電できるようになると、これまで石油や天然ガスなど輸入に頼っていたエネルギーを、自給できる資源国になれるのです。現状の日本の風力発電は、世界に遅れをとっている状況ですが、経済産業省が風力発電の導入量に明確な目標を掲げていますし、再生可能エネルギーの割合を増やすために産業界もサポートしています。今の日本が抱えているエネルギー問題を解決するきっかけになるのは、間違いなく風力だと思っています。

グローバルな環境での柔軟な働き方と豊富な成長機会
テレワークやフレックス制度は柔軟に利用できます。週に2日テレワークし、残りの日は三井物産電力事業のオフィスや出向先の事業会社に行くこともあります。
海外とつながる機会も非常に多いです。プロジェクトによって頻度は変わりますが、月に1~2回出張に行く人もいますし、部署から数人が海外駐在に出ているような状況です。私もいつか駐在を経験したいと考えています。現在取り組んでいる日本の洋上風力のプロジェクトでも、関わりの半分以上は多国籍の方たちです。
日系企業らしく研修制度が充実しているのもありがたいです。三井物産の社内研修制度を積極的に活用し、1年で約20種の研修を受けました。社外の有料研修も必要であれば支援してもらえるなど、自己成長の機会は多いですね。
また、プロジェクトが次々と出てくるので、実地で経験値を積む機会も多いです。三井物産の人材育成の基本理念は「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」だと聞いています。この理念が実感できる形で日々の業務に埋め込まれているのは、非常に三井物産グループらしい点だと思います。
この業界は、2050年のカーボンニュートラルという明確な目標に向かって進んでいます。特に風力発電は日本のエネルギー問題解決に直接貢献できる魅力的な仕事だと思います。非常にやりがいのある分野ですから、ぜひ志を同じくできる人と一緒に働きたいですね。


