E.I
ファイナンス部
プラントエンジニアリング会社での会計・経理業務を経て2018年入社。海外駐在経験(マレーシア・UAE)と計数管理の経験を活かし、現在は世界各国の電力・インフラ案件の財務モデル構築・企業価値評価を担当。三井物産プロジェクトソリューション株式会社に兼務出向中。
「建設が完了すれば終わり」のコントラクター業務から、「20~30年にわたる事業運営」を見据えるオーナー側へ。1,000億円規模の海外プロジェクトでコスト管理の最前線を経験した石上は今、数字への専門性を武器に、国内のみならず北米・中米・アジア・アフリカの大規模インフラ案件で投資判断の根拠となる財務モデルを構築する日々を送っている。現場感覚と理論的背景を併せ持つファイナンス専門家が語る、数字を通じた事業価値創造の醍醐味とは。
建設から運営まで。オーナー側で事業を長期スパンで見る
前職のプラントエンジニアリング会社では、プロジェクト管理からキャリアをスタートさせました。マレーシアに1年半近く駐在し、1,000億円規模の化学工場建設プロジェクトのコスト管理業務を担当。その後、UAEへの長期出張などを経て、本社では経理業務にも携わり、数字を詳細に分析する経験を積みました。
転職を決めた理由は2つあります。1つ目は、プロジェクトベースで多様な海外案件に携わり続けたいという思い。2つ目は、数字の強さを活かして財務モデリングを極めたい、事業投資に関連するファイナンスに関わりたいと思ったことです。

財務モデル構築を通じた投資判断への貢献の喜び
現在はファイナンス部で、主に当社投融資案件に関わる財務モデルのレビューと構築支援を担当しています。新規プロジェクト開発時の財務・会計・税務面の支援、建設中案件の予算管理、そして三井物産本社や兄弟会社向けの財務モデルトレーニングの講師も務めています。国内のみならず北米・中米・アジア・アフリカなど多地域に展開する大規模インフラプロジェクトを中心に、平均して同時並行で3~5件程度の案件を担当しています。
仕事の核心は、財務モデルを通じた収益性の検証とシナリオ分析です。建設費、運営費、収入予測、金利・為替、諸税など、多岐にわたる要因を織り込んで将来キャッシュフローを算出します。さらに、電力価格の変動や規制環境の変化といった外部リスクも含めて、複数のシナリオで事業の収益性を検証する緻密な業務です。
ですから、プロジェクトチームと一丸となって目標を達成する瞬間、特にFID(最終投資意思決定)を実現できたときには、大きな喜びを感じます。財務モデルは社内意思決定における重要な情報源であり、的確に情報を提供して意思決定に貢献することに大きなやりがいを感じています。

コスト管理経験が活きる、オーナー側財務管理の実践的視点
前職のプラントエンジニアリング会社でのコスト管理経験が、現在の業務に活きる場面もあります。特に、オーナーとして現場の予実管理をモニターする際に、コントラクター側で行われる管理の厳格さを理解している点は、現在の業務に繋がっていると感じます。また、建設費の見積もりや工期の妥当性、想定外コストの発生リスクを評価するスキルは、コントラクター側の経験のみならず現在のオーナーとしての実務経験も通じて培われたものです。
また、プラントエンジニアリング会社で多くの案件のパフォーマンスを追いながら原価計算を担当していた経験は、現在の数字を細かく見る業務に直結しています。月次・四半期決算における原価計算部分の実務リーダーとして培った数字への厳密性は、今でも武器となっています。
海外出張は年1〜2回程度で、その目的は多岐にわたります。直近の米国出張では、財務モデル作成に向け、案件の状況やビジネスモデルを正確に伝えるべく外部ファイナンシャルアドバイザーとのワークショップに参加しました。同出張では現地税制の調査や投資家候補との面談なども実施しており、海外案件が多い当社ならではの仕事の醍醐味を感じています。
三井物産グループの総合力を背景とした多様なアプローチ
三井物産本社との連携では、個別案件の支援のみならず研修実施などに関しても、日常的に協働しています。総合商社として様々なファイナンス手法を取り入れる中で、これまでのトラックレコードや信頼性が大きなプラスになっており、三井物産ならではの資金力と信用力を実感する機会が多くあります。
現在は三井物産プロジェクトソリューション株式会社に兼務出向し、経営企画部の一員として中期経営計画策定や経営計画のモニタリングにも関わっています。財務モデル関連業務を始めとした定量面にとどまらず、定性的な部分も含めた経営判断に貢献していきたいと考えています。
自由度の高さとフランクでコミュニケーションがとりやすい環境
当社の魅力は、裁量権が大きく自由度の高い職場環境です。自ら積極的にやりたいことを示せば、上司もできるだけ実現できるよう動いてくれます。ファイナンス部はテクニカル部に比べれば基本的に出向や異動は少ないですが、現在の部長も過去に2度海外子会社への出向経験があるほか、現在私以外にも国内の事業会社へ出向している部員もおり、自身の努力次第で機会はあると思います。
職場の雰囲気は非常にフランクで、全社員で30人程度の規模なので、部内だけでなく他部署とのコミュニケーションもとりやすい環境です。テレワークやフレックスタイム(コアタイム10時〜15時)を活用して柔軟に働くことができ、ワークライフバランスをとりやすい環境が整っています。私も子供2人の保育園や小学校の送迎をすることができています。
当社は専門家集団として、個人の専門性を活かしながら事業価値創造に貢献できる会社です。世界各国の大規模インフラプロジェクトを財務面から支え、現場への出向も含めた長期的な事業運営に関わりたいという方にとって、非常にやりがいのある環境だと思います。


